Et in terra pax
冒頭の共通音型にのせて Et in terra pax hominibus bonae voluntatis までが歌われ、続いて Laudamus te, Benedicimus te, Adoramus te が "Regina" のカントゥス・フィルムスを中心に展開する。アルトとバスの模倣による Glorificamus te を経てソプラノとテノールの Gratias agimus tibi に入る。ここでのテノールは "Ave Regina" のパラフレーズである。
Domine Deus, rex caelestis
カントゥス・フィルムス "Salve radix" を中心に4声が自由に展開する。ここでの終止はランディーニ型+アルトの動きである。
Domine Deus, agnus Dei
上2声の模倣曲。後半は3分割系 (完全プロラツィオ) に拍子が変わる。
Qui tollis
ここでのカントゥス・フィルムスは "Gaude Virgo gloriosa"。最初の Qui tollis はテノールとバスの自由な模倣と細かい動き。2回目の Qui tollis は一転して4声の穏やかな動きで miserere nobis をしっとりと歌う。3回目の Qui tollis は自由な展開となり、カントゥス・フィルムス "speciosa" を中心に suscipe deprecationem nostram を歌い上げる。ここでの終止もランディーニ型+アルトの動きである。
Qui sedes
ここでのカントゥス・フィルムスは "Vale, o valde decora" (Vale の部分は現行の聖歌とは違うようである)。Qui sedes から Tu solus dominus までは4声でゆったりと進行する。 Tu solus altissimus, Jesu Christe は3声、次いで2声となり、Cum sancto の4声の和声的進行を準備する。in gloria で3分割系に拍子が変わり、ソプラノとテノール、アルトとバスの組で同じ音型が2回繰り返される。終止の Amen は、ハ長調の終止となんら変わるところがないが、むしろ新鮮に響く。